聖なる残虐、邪なる純真。これは私達の知らない、魔女達の物語。
人里離れた森の奥に「聖荒玖都(セント・アレクト)」と呼ばれる街がある。高くそびえる山々に囲まれ、白樺の森の奥にひっそりと作られた中世ユーロッパを思わせる景観を持つその街は、「鴞族(きょうぞく)」と呼ばれる古の民が、世間の目から逃れ、隠れ住まう一大施設であった。
鴞族は、500年前の「ウィトゥラの勇者たち」による粛清により、その数を激減させた。そしてそれ以来、この街でひっそりと生き続けてきたのだ。
だが時代の流れと共に血は薄れ、その血族はごく僅かとなっていった。伝説上の存在となってしまった鴞族たち。今ではその真実を知る者も多くはない。
-これは、この街で暮らす魔女の血を引く少女達の希望と絶望と恋の物語-