「 ここはとてもいいところです 今 とてもひとりです」
現代日本を代表する詩人・谷川俊太郎と映画「千と千尋の神隠し」主題歌などスピリチュアルな詩作で知られる覚 和歌子が共同監督を務めた本作は、全編をスチール写真で構成する長編物語映画(70分)。
磨かれた静謐な言葉と1000枚の静止画のコラージュで進行するストーリーが、この世に生きることの切なさと孤独を、真摯な筆致で描き出す。知る人ぞ知る大人のための映像絵本。
【「ヤーチャイカ」はフォト・ストーリーの形を借りて描く、男と女をむすぶ、人と自然をむすぶ、そして地球と宇宙をむすぶ親和力の物語である。】
はてしない宇宙、その中で生きる人間。そして、命のつながり。
恋人の死をきっかけに、東京から移り住んだ村の小さな天文台に勤務している新菜(尾野真千子)。彼女は新しい彗星を発見し、それに村名を冠するという自治体からの指令を受けて、昼間は地域の子供たちや観光客相手に天文台を開放したりといった日常を過ごしている。ある日、新菜は都会の生活に挫折して旅を続けている男、正午(香川照之)と出会う。星空にしんしんと向き合う二人。新菜に、正午は次第に惹かれ、また新菜も正午と過ごす時間の中で少しずつ心を寄せるようになる。新菜との関りによって、自分のまなざしが生きていることへ向かう力を再び得たと気づく正午。新菜も正午との関りによって、恋人喪失の悲しみから開放されてゆく。
【映像特典】劇場予告