シナリオ公開➄

○旅館の客間

 

鴉羽   「ごめんなさい、心配かけたわね……」

箒星   「まだ起き上がらないほうがいいですよぉー」

月下   「食事、足りなければ別メニューを頼むであります」

鴉羽   「平気よ、お酒を飲む前に結構食べたから……ダメね、あたしがこんなことじゃ」

灰桜   「いえいえ、いいんです。鴉羽さんは普段頑張っていますから」

箒星   「せっかくの休暇なんですから、ゆっくりしてくださいねぇー」

月下   「休むのも大切な仕事であります」

鴉羽   「みんな……」

灰桜   「そんなわけで……じゃん! これです!」

鴉羽   「な、なに?」

灰桜   「耳かきです! 洗面所で見つけたんです」

灰桜   「これで、鴉羽さんをさらに心地よくさせます!」

鴉羽   「人形に耳垢はないけれど……」

灰桜   「気分ですよぉー、はい、わたしのお膝に乗ってください」

鴉羽   「こ、こう……かしら」

灰桜   「えへへへ、ばっちりです」

鴉羽   「なんだか……変な気分ね」

箒星   「いつもと立場が逆ですねぇー」

レーツェル「お姉さまの膝枕……今日ばかりは譲って差し上げますの」

灰桜   「では、耳の中を……かきかき……かきかき……」

鴉羽   「んっ……ふっ……」

灰桜   「くすぐったいですか?」

鴉羽   「ちょ、ちょっとだけ……ね。でも、気持ちいいわ」

灰桜   「鴉羽さんの耳はきれいですね。かきかき、かきかき……」

灰桜   「ふぅーっ………」

鴉羽   「……んんっ……」

鴉羽   「息はちょっと、くすぐったいわね……」

灰桜   「はーんたい、向いてくださいっ」

鴉羽   「……こーお?」

箒星   「(こそこそ声)鴉ちゃん、意外と素直ですねぇ」

レーツェル「(こそこそ声)お姉さまの耳かきが、意外と気に入ったようですわ」

月下   「(こそこそ声)まな板の上の鯉であります」

鴉羽   「ちょっと、聞こえてるんだけど」

灰桜   「はーい、ではこちら側も……かきかき、かきかき……」

鴉羽   「あ……ふわ……」

灰桜   「こそばゆいところはございませんかあ?」

鴉羽   「そ、そうね……もうちょっと奥まで入れてもらっても……」

灰桜   「これぐらい……ですかねぇ……?」

鴉羽   「ん……はふぅ……」

灰桜   「かきかき……かきかき……かきかきかき……」

鴉羽   「はわぁ~……」

箒星   「(こそこそ声)すっごくリラックスしてますねぇ」

レーツェル「(こそこそ声)いまにも涎がこぼれそうですわ」

月下   「(こそこそ声)恍惚の局地であります」

鴉羽   「だから、聞こえて……」

灰桜   「かきかき……」

鴉羽   「あっ………ああああ~……」

灰桜   「ふーっ………」

鴉羽   「………ぁあ……」

灰桜   「はいっ、しゅーりょーですっ」

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