登場人物:
・サタン (CV: 安元洋貴)
・メタトロン (CV: 三浦祥朗)
・ラファエル (CV: 平川大輔)

※ある日、サタン、メタトロンのもとにラファエルから「人生遊戯ゲーム・Happiness」(仮)のモニター募集の 案内メールが届く。

サタン 「ったく、ラファエルのやつめ……。急に呼び出してきたと思ったら、『モニターになってください♪』とか、相変わらず何考えてんだか。しかも待ち合わせが池袋ルミネ前の横断歩道って……俺、みんなの邪魔してるよな?ハッキリ言ってめちゃくちゃ邪魔してるよな!? 大体、なんで俺がHLSの商品モニターなんてやらなきゃならないんだ? まさか俺がLHの社長ってこと、忘れてんじゃないか…」

ラファエル
「忘れてなんていませんよ?」

サタン
「うわあっ!!」

ラファエル 「やあサタン、お久しぶりです」

サタン 「おどかすなよ、ラファエル! 普通に声かけろって、昔から何度も言ってるだろ!」

ラファエル 「え~、気付かなかったのはサタンじゃないですか」

サタン 「あ、ごめん…じゃなくて! 俺が気付かないのは、お前が気配を消してるからだと思うんだが?」

ラファエル 「ふふ、サタンの反応が面白くって、つい。驚いたついでに飛び込み前転をしてくれないかなって、ワクワクしながら見てました」

サタン 「車に轢かれんだろうが! そもそも、なんでこんなとこを待ち合わせ場所に指定するんだよ」

ラファエル 「だからさっきも言ったじゃないですか。しばらく会わない間に記憶力が衰えたんですね。あ、そろそろ時間ですよ。急ぎましょう」

サタン 「衰えてない! ていうか相変わらずお前は人の話聞いてないな!」

※【場面転換】とあるビルの一室。サタンとラファエルが現れる。

サタン 「えっと、『池袋ステーションコンファレンス』12階……ここでいいのか?」

ラファエル 「はい。今日はこの部屋を貸切にしてもらったので、遠慮なくどうぞ」

サタン 「お、おお……『ガチャ』」

ラファエル 「ああ、メタトロン。お待たせしました」

メタトロン 「20分の遅刻です、ラファエルさん。仮にもHLS四大事業部長というお立場なのですから、もう少し時間には正確になっていただかないと!」

ラファエル 「まあまあ、そう目くじらを立てないでください。最近、ウリエルに似てきましたね。メタトロンは、もう少し気持ちに余裕を持ったほうがいいと思いますよ? ほら、笑ってください」

メタトロン 「私が笑顔になることで、皆さんが常に締切やルールを守って行動していただけるのであれば、私も喜んで笑顔に……(サタンに気づく)ところでラファエルさん、こちらの方は?」

サタン 「ん? ああ、俺は……」

ラファエル 「彼は僕の友達でして、『サッたん』って言うんですよ」(サタンの台詞に被るように)

サタン 「はぁ!? 『サッたん』ってなん……」

ラファエル 「メタトロン、ちょっと待っててくださいね」(サタンの台詞をさえぎるように)

メタトロン 「はぁ」(素直に)

サタン 「な、なんだよラファエル! ……ひ、ひっぱんなって!!」(ラファエルに引っ張られるサタン)

※【場面転換】とあるビルの一室。サタンとラファエルが現れる。

ラファエル 「実はね、メタトロンってあのとおりものすごい堅物なんです。あなたがLHの社長・サタンだとバレてしまったら、いろいろと面倒なことになるんですよ」(小声で)

サタン 「じゃあ呼ぶな! 俺はこれでも忙しいんだが」(小声で)

ラファエル 「まあそう言わずに。これから試してもらいたいものって、部下のアズラエルが開発したうちの一押し商品なんですけど……」(小声で)

サタン 「なんで俺が、HLSの商品を試さなきゃならないんだ」(小声で)

ラファエル 「見ておいた方がいいと思いますよ。あなたは特に(にっこり)」(小声で)

サタン 「……分かったから早く済ませろよ」(諦めたように)

※ラファエルとサタンがメタトロンの場所に戻ってくる。

ラファエル 「すみません、メタトロン。お待たせしました」

メタトロン 「いえ。それで、協力してほしいこととは一体何でしょうか」

ラファエル 「はい。実は、我が第3事業部のアズラエルが新たに開発したゲームをぜひ試していただきたいのです」

メタトロン 「ゲーム、ですか?」(いぶかしげに)

ラファエル 「先週やっと完成したんですよ。発売前にモニターテストは欠かせませんからね」

サタン 「まあ、そりゃそうだが……なんで俺が」

メタトロン 「他の方ではダメなのですか? 今の時期、総務が非常に忙しいということはよくご存知かと思いますが」

ラファエル 「そうですね、あなた方にモニターをお願いしたいのは……ずばり、真面目だからです」(嬉しそうに)

サタン 「ま、真面目?」

ラファエル 「はい。メタトロンは言わずもがなですが、サッたんもなんだかんだ言いながらとっても真面目かつ良い方なので、ぜひご協力をお願いしたかったんです」

メタトロン 「なぜ真面目でないといけないのですか?」

ラファエル 「このゲーム、結構ダイレクトに人間に影響を与えてしまうものなので、不真面目な方にお願いするのは危険なんですよ。というわけで、特別に神に許可を頂きまして……」

サタン 「そんな危険なゲーム、よく開発許可下りたな」

ラファエル 「そこはほら、僕の日頃の行いと言いますか。ね、サッたん」

サタン 「ふん。(ぼそっと)……どこかで聞いたことのある設定のような…」

メタトロン 「社長のご許可があるのなら、仕方ないですね。それで、そのゲームはどこにあるんでしょう?」

ラファエル 「実はこの小さなカプセルの中に詰めてあるんです。さて、早速カプセルを割ってみることにしましょう。『ぴゅわわわ~ん!!』なんと、小さなカプセルに入ってたとは思えない大きさのボードゲームが目の前に!」

メタトロン 「す、すごい! まさに質量を無視したコンパクトな作り!」

サタン 「説明すぎるだろ!」

ラファエル 「(無視して)さ、まずはこのガラガラを回してください」

メタトロン 「では、サッたんさん。お先にどうぞ」

サタン 「俺からでいいのか? じゃ……『ガラガラガラ……コロン』。!! なんだこの玉、急に光り始めたぞ!?」

メタトロン 「なっ、何なんですか、このゲームは!」

ラファエル 「ふっふっふ、名付けて! 『人生遊戯ゲーム・Hapiness(ハピネス)』!! 『ちゃらら~ん♪』」

メタトロン 「人生遊戯ゲーム……Hapiness(ハピネス)?」

サタン 「はあ!? どういうことだ、ラファエル!」

ラファエル 「どうしました? サったん」

サタン 「あのな、俺はそれとすごくよく似たゲーム知っているんだが?」

ラファエル 「気のせいじゃないですか? もしくは、年のせいとか」

サタン 「さらっと年の話題にするな! これ、うちの研究開発部が開発した『人生遊戯ゲーム・Darkness(ダークネス)』のまるパクリだろ!?」

メタトロン 「ダークネス?? それは一体……」

サタン 「!! い、いや何でもないっ」

ラファエル 「まあまあ、細かいことはいいじゃないですか」

サタン 「よくねぇ!」

ラファエル 「でもほら、もう始めちゃいましたし。さっき引いてもらった玉も、人型に変わってますしね」

サタン 「はっ!! こ……こいつは!」(くるっと背を向けてこっそりと喜ぶ)

サタン(心の声) (『人生遊戯ゲーム・Darkness(ダークネス)』で共に修羅場を歩んだ、家に帰ってもペットの飛びネズミしかお出迎えに来てくれない、53歳妻子あり、印刷会社勤務の係長じゃないか!)

サタン 「おじさん、元気そうでよかったな!」

メタトロン 「お知り合いですか?」

サタン 「あ、ああ。まあな」(嬉しそうに)

ラファエル 「さ、メタトロンも回してください」

メタトロン 「はい。えっと、『ガラガラガラ……コロン』。私のは……ん? これは、21歳・独身の新宿歌舞伎町のホスト?」(ホスト=Darknessのコマになった人間)

サタン 「っ!」

ラファエル 「じゃあ僕も……『ガラガラガラ……コロン』。僕のは、都内の大学に通う19歳の男子大学生、ですね」(大学生=Darknessのコマになった人間)

サタン 「(二人の言葉を聞いて嬉しそうに)マジか!!」

メタトロン 「サッたんさん?」

サタン 「い、いや、何でもない……」

ラファエル 「次はこのルーレットを回して、出た数字分だけ、マス目にそってこの人型を進めてください」

サタン 「よし! じゃあ回すぞ。『カラカラカラカラカラ……』お、俺は『6』だな。数えながらコマを移動)……!! っしゃあ! スーパーの福引でハワイ旅行。ベタな展開だが、これで家族も見直してくれるはず! よかったなぁ~おじさん!」

ラファエル 「じゃ、メタトロン。次はあなたの番です」

メタトロン 「えっと……私は『3』ですね。(コマを進めるアドリブ)『お店からの帰り道、チンピラに絡まれている女の子を助ける……』おお! 軽薄な男だと思っていましたが、人は見かけによりませんね」

ラファエル 「(ルーレットを回す)よいしょっと……僕は『4』。(コマを進めるアドリブ)『道に落ちていた“天使と悪魔トークイベント”の参加券を拾う。落とした女性から感謝されて、食事に誘われる』ん~、なんだかモテ期到来って感じですね。あ、赤字で何か書いてあります。幸運カードを1枚引く」

サタン 「幸運カードって、修羅場カードのまんまパクリだろ」(ぼそっと)

ラファエル 「(カードを引きながら)え? 今、何か言いましたか、サッたん?」

サタン 「ハッ! べ~つにぃ?」(面白く無さそうに)

ラファエル 「『前後のマスに止まっている者に幸運が訪れる』です」

メタトロン 「おお! 私のコマのホストの彼じゃないですか!」

ラファエル 「『愛のキューピッドの矢が胸を貫き、人生の伴侶とめぐり合う』」

サタン 「すげぇ!! まるでドラマみたいじゃないか、やったなメタトロン!」

メタトロン 「はい! まさか総務の私が、一組のカップルを誕生させることができるだなんて!」

ラファエル 「良かったですね、メタトロン。ですが、すんなりと幸せになってしまっては愛の結びつきが弱いかもしれません。何か試練を与えた方が良いかもしれませんね。例えば……新婚旅行で遭難するとか?」(にっこり)

メタトロン 「なるほど……人間を幸せにするというのは、奥が深いのですね」

サタン 「いやいや、お前ら、天使のくせに歪んでんぞ! なんでもっとこう、人の幸せを素直に喜んでやれないんだよ! こうなったら、俺はこいつらをとことん幸せにしてやるからな!」

メタトロン 「(サタンの勢いに感動して)すばらしいです、サッたんさん! 最初は胡散臭い方だと思っていましたが、すごくいい方だったんですね!」

ラファエル 「ふふ。ね? 見かけによらないでしょう?」

サタン 「褒められた気がしない……(気を取り直して)どんどんルーレット回して行こうぜ!」

メタトロン 「はい!」

ラファエル 「(ゲームに夢中な二人を眺めつつ)もともと悪魔が作ったゲームがベースだったので少し心配していたのですが、この二人のハマり具合……『エンジェルランド』に続くヒット商品になりそうですね。そうだ、これに流行りの萌え要素を足してみるとか。天界に戻ったらミカエルに聞いてみましょう。むしろサンダルフォンの得意分野でしょうか……ふふ」(楽しそうに思案しながら)