SE:扉の向こうから、くぐもった声。

アズラエル 「ここ、居心地いいんだよ、ミカさん。誰も来ないし……。仕事に集中できる」

ミカエル
「うるさいのが来てるじゃないか」

アズラエル
「それ本当困ってるんだ……」

サンダルフォン 「え、誰!? うるさいって誰っすか!」

アズラエル 「こいつが来ると仕事にならないからイヤなんだ」

ミカエル 「あれ、そういえば君たち、知り合いなの? 部署も違うし、性格的にも真逆だよね?」

アズラエル 「それなんだけど……」

SE:アズラエル、シュインと扉を開けて出てくる。

アズラエル 「眩し……!」

SE:また引っ込む。

サンダルフォン 「(感心したように)モグラたたきゲームみたい」

ミカエル 「サンダルフォンは黙ってて。ねぇアズラエル。正面から見なければ大丈夫
じゃないかな? もしくは、サングラスとか……」

アズラエル 「あ、なるほど……」

SE:アズラエル、スチャっという感じでサングラスをかけて出てくる。

アズラエル 「うん、これで大丈夫……。PCモニターのブルーライトを50%以上カットするサングラスなんだけど……。慣れるまでかけてていい?」

ミカエル 「僕のオーラがブルーライトと一緒という件については言及しないでおくよ。……それで?」

アズラエル 「そうだ、聞いてよ、ミカさん。こいつひどいんだよ……。社内行事で一回同じチームになっただけなのに、それ以来いっつもいっつも『キャンプ行こう』
『バーベキューしよう』って誘いに来るんだ……」

ミカエル 「キャンプ? ていうか君、社内行事には出るんだね」

アズラエル 「だって社長が社員は強制参加だって言うし。……そこじゃなくて、サンちゃん、いろいろ前向きすぎてアウトドアが苦手な天使もいるって理解しないんだ……」

サンダルフォン 「えー! キャンプ超楽しいじゃん! みんな大好きでしょ。飯盒でご飯炊いたり、川で遊んだり、キャンプファイヤーにフォークダンスで胸キュン♪
テント張って星見ながら寝たりさ~。最高にハッピーになるよ!」

アズラエル 「それは個人の感想であって、効果を確約するものではありません~」

サンダルフォン 「いいや、嫌いなやつなんていないね。嫌いとか言っているのは、まだその楽しさを知らないだけなんだって。なあ、一回行こうぜ。一回でいいからマジで。行けば絶対楽しいって。オレに任せておけば大丈夫。絶対ハマるって。みんなそうだから!」

ミカエル 「なるほど、うざいね……」

アズラエル 「でしょ? ミカさんもそう思うよね?」