ミカエル 「兄さん、今頃どうしているかな……悪魔のみなさんと上手くやれてるかな。一人だけランチに誘われなかったり、一人だけ出張のお土産の お菓子を配られなかったりしていたら面白……いや、かわいそ……っと! サンダルフォン!?」

SE:台詞を最後まで言わないうちに、スケボーに乗ったサンダルフォンが目の前を猛スピードで走りすぎる。

サンダルフォン
「あっミカエルさ……(ミカエルに気づいた後すぐに目の前の壁に気づき)
ッてうわあああ!」

SE:サンダルフォン、壁に正面衝突。

サンダルフォン
「あいたたたた……」

ミカエル 「(ため息)また君か……。社則に、社内でのスケボーやローラーシューズは使用禁止って書いてなかったっけ?」

サンダルフォン 「ああっ、すみません、ミカエルさん! ちょっと急いでて……!」

SE:サンダルフォン、自力で立ち上がる。裾の汚れなどを払いながら。

ミカエル 「このあいだもメタトロンに怒られて廊下に立たされてたよね? 翼があるんだから飛んだらどうなんだ」

サンダルフォン 「やー、オレって元人間だし、こっちでもバイト時代が長かったから、なかなか人間の時の癖が抜けなくて。つか、スケボーも浮いてるから同じかなって。てへぺろ!」

ミカエル 「同じじゃない。だいたい、今は正社員で、そんなんでも一応立派な天使なんだから、ちゃんと天使としての自覚を持たないと……。それに人間だって社内でスケボーには乗らないと思うよ」

サンダルフォン 「(まるっとスルーして)つーかミカエルさん。さっき、一人で、すっごい説明っぽいことしゃべってなかったっすか? 誰かいたんすか?」

ミカエル 「(咳払いしつつ)そんなことはどうでもいいんだよ。大人の事情だから。……それより君、何か急いでいるんじゃなかったのかい」

サンダルフォン 「あ、そうだった! アズラエルに社長の伝言を届けないと……」

ミカエル 「アズラエル? システムエンジニアの? HLSの“家畜”って言われている?」

サンダルフォン 「そうっす。ミカエルさんのお兄さん、キング・オブ・社畜のルシフェルさんを越えてるって評判の!」

ミカエル 「いや、兄さんのことはいいよ。ていうか、なんかサンダルフォンに言われるとむかつく」

サンダルフォン 「そのアズラエルが、社長命令で人間界へ出張なんっすよ。んじゃ、失礼しまーす!」

ミカエル 「え、アズラエルが人間界に行くの?」

SE:サンダルフォン、スケボーを設置して足を乗せ、蹴り始める。

サンダルフォン 「ヒャッホー!」

ミカエル 「おいこら、社内でスケボーは禁止って……あいかわらず人の話全然聞いてないな! それより人間界か……そうだ!」