ルシフェル、ビールを一気にあおって

ルシフェル 「っかー!! 美味い! (しみじみと)ビールなんか、久しぶりに飲んだな……」

ガブリエル
「あのエリートがねえ……。なんだか可哀想……」

ルシフェル
「可哀想とか言うな! いや、もう、貧乏暮らしにもだいぶ慣れたからいいんだけど」

ガブリエル 「で、どうするつもりなの?」

ルシフェル 「ああ……、このままじゃ出向先にも迷惑かけるばかりだし、いっそ辞めて、コンビニにでも勤めようかって思ってる。近所で今募集してるんだけど、夜間だと結構時給もいいし」

ガブリエル 「何言ってんのよ! あのルシフェルが深夜バイトの同僚だったとか、それなんのラノベよ! アニメ化しちゃうわよ!?」

ルシフェル 「元だよ、元天使。俺、今は堕天使……いや、左遷使だし……」

ガブリエル 「実は気に入ってるんじゃないの? そのフレーズ……」

ルシフェル 「まあ、LHの仕事内容に関しては、こっちも納得しているしやりがいも感じているんだけどさ、なんか上手くいかなくて……。ここだってタイミングで邪魔が入ったりとか……(思い出して)そうだ! 聞いてくれよ、今日ミカエルが来たんだ」

ガブリエル 「ああ、さっきそんなこと言ってたわね」

ルシフェル 「口では心配して様子を見に来たって言ってんだけど、結局はまた俺の仕事をひっかき回して帰っただけっていうか……カクカクシカジカで……」

ガブリエル 「そうなの、猫を……」

ルシフェル 「(げんなりと)大変だったんだよ、あの後……。全部返すのに今までかかって、結局一日潰れちまった。あいつら、本当にもうカワイイにもほどがある……いやいや、傍迷惑な……」

ガブリエル 「結構楽しそうね、アンタ」

ルシフェル 「バカ言うな。マジで大変だったんだぞ!」

ガブリエル 「てゆーか、なんでアンタはそんなどうしようもないミカエルのプランに乗っちゃうわけ?」

ルシフェル 「いや、それがさ……最初に聞いたときはすっげーいい作戦だと思ったんだよな……」

ガブリエル 「アンタ……そんな感性で、よく今までHLSでトップ取ってたわね」

ルシフェル  「天界にいた頃はミカエルも本当によく協力してくれたんだよ。アドバイスも適切だったし、すいぶん助けられたって言うか。俺がトップでいられたのは、あいつのおかげって部分も結構あるし……」

ガブリエル 「それで調子に乗ってバリバリ働いて、周りのヒンシュクを買ったのね」

ルシフェル 「調子に乗ったとか言うなよ! そりゃ、確かに空気読めてなかったかもしれないけど……」

ガブリエル 「そっか、なるほどね。つまりアンタは、上手くミカエルに乗せられてたってことね……」

ルシフェル 「乗せられてた? 俺が?」

ガブリエル 「あのミカエルが、なんの目的もなく手助けなんかするわけないじゃない。LHに出向したのも、案外そのせいじゃないの?」

ルシフェル 「(当然のように)そんなことないぞ。兄弟が、お互いに助け合うのは当たり前だろ」

ガブリエル 「んま! それ本気で言っているの!? なんておめでたいの、アンタ……」

ルシフェル 「(照れながら)いやそれほどでも……」

ガブリエル 「褒めてないわよ!」