第7話 一心岩をも透す
茶州虎林郡で発生した奇妙な病に対処するため、王宮では陶老師をはじめとする最高医官たちは堂主より託されたたくさんの医学書の中からその治療法を懸命に探していた。影月が尊敬する堂主こそ、伝説の名医を輩出した華一族の誉れ・華眞であり、託された医学書は華眞が記したものだった。しかし、ようやく見つけ出した治療法は王宮の筆頭侍医である陶老師をもってしてもできない、高度な技術を要する治療法だった。
第8話 人事を尽くして天命を待つ
茶州で病に苦しんでいる民を救うため駆け回る秀麗。全商連から医師を派遣してもらう協力をとりつけたものの、まだ大きな仕事が待ち構えていた。急遽、召集された朝議の席で、居並ぶ重鎮たちを説得しなければならないのである。一刻も早く民を救いたい一心での秀麗の行動だったが、朝廷の機能を無視した越権行為だという声が上がり、朝議は紛糾する。
第9話 地獄で仏に会う
独り石榮村に駆けつけ、不眠不休で病人の看病に当る影月。村人たちから頼りにされても、今の影月には病を治すことはできない。秀麗が治療法を見つけて駆けつけて来てくれるのを信じて、最善を尽くすしかないのだ。そんな中、影月は敬愛する堂主にそっくりな男を見つけ、思わず後を追いかける。 |