ドラマCDシナリオ公開 第4弾

ドラマCD「初恋モンスター」のシナリオを公開第4弾!

山で夏歩と奏がデートをしているのを、そっと見守る(?)影が……。

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奏    「ちょうちょ3匹!! ゲットだぜ!!」
夏歩  「奏くん……何これ……?」
奏    「夏歩の頭に3匹もちょうちょが止まってたからさー。一気に3匹捕まえたぞ!」
夏歩  「そっか……よかったね……。あ、この蝶……私が追いかけてたやつだ……」
奏    「じゃあ、ふたりで捕まえたちょうちょだな!」
夏歩  「うふふ」
奏    「えへへ……。そうだ。これやる!」

・奏、ごそごそとポケットを漁って、四葉のクローバーを差し出す。

夏歩  「あ……クローバー?」
奏    「うん! 四葉だぞ! 幸運のしるしだ! だんご虫探して草の上転がってたら見つけた!」
夏歩  「奏くんってば……」
奏    「たくさんあげたかったけど1個しか見つかんなかった……」
夏歩  「1個でじゅうぶんだよ。それより、奏くんの分はいいの?」
奏    「いい! 俺、今結構幸せだから!」
夏歩  「奏くん……。私だって幸せだよ」

×   ×   ×

耕太  「なんか……二階堂さんは頭に網かぶったままなんですけど……とてもいい雰囲気です……」

大谷  「四葉のクローバーなんて、結局ただの草じゃないですか……
男ならバラの花束くらい贈れって言うんですよ……」

多賀  「まあ……大人になると花買って女にあげんのがスタンダードだけど、
実は女ってああいうロマンティックもどきのほう心に響く生き物だから」

大谷  「高橋のやつ……計算ですか? 悪い男ですね」

×   ×   ×

奏   「あのさ……俺、実は目的があって山に夏歩を誘ったんだ」
夏歩  「え……そうなの?」
奏   「プレゼントを贈りたくて……」
夏歩  「この四葉のクローバー?」
奏   「ううん、違う。それはたまたま見つけたからあげたくなっただけ。
俺があげたいのは黒いダイヤ……」

夏歩  「黒いダイヤ?」

 
 

ドラマCDシナリオ公開 第3弾

ドラマCD「初恋モンスター」のシナリオを公開第3弾!

虫を取りに山へと向かった奏と夏歩。
奏が夏歩に差し出したのは……。

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夏歩  「近所にこんなに自然がいっぱいの山あったんだね」
奏    「なんだ夏歩、知らなかったのか」
夏歩  「うん……学校と華すみ荘の行き帰り以外にあまり寄り道しないから……」
奏    「そっか……俺はこの辺を探検しまくりだから、夏歩をいろんなとこに連れてってやるな」
夏歩  「うん! ありがとう奏くん」
奏    「あ! 俺、夏歩におやつ持ってきたんだ。えっと……」

・ごそごそとポケットを奏。

奏    「はい、チョコ! やる!」
夏歩  「ありがとう。あ……溶けてる……」
奏    「うそ……あ、ほんとだ、べたべただ……ごめん、ずっと俺のポッケに入れといたから……」
夏歩  「えっと……いいんだよ! 食べられるよ。味は一緒だよ!」
奏    「うう……俺のも溶けてる……ごめん、夏歩」
夏歩  「平気だよ。チョコ食べて虫取り前にパワー補給しよ!」
奏    「うん! うおおおおーパワー充填! あむっ」
夏歩  「ふふふ……奏くん、チョコ鼻についてるよ」
奏    「え? どこ?」
夏歩  「動かないでね、今取るから」
奏    「んー……あ。夏歩だってついてるぞ!」

・夏歩の頬についたチョコをぺろっと舐める奏。

夏歩  「かかかか奏くん!」

夏歩  「頬が熱い……奏くんってばいつもいきなり舐めたりするんだもん――――
もう、こういうのって心臓がもたないよう」

 
 

ドラマCDシナリオ公開 第2弾

ドラマCD「初恋モンスター」のシナリオを公開第2弾!

日吉丸晃先生が脚本執筆のドラマCD完全オリジナルのエピソードです。

夏歩と奏がデート!
一体どこへ行くのか……!?

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【ドラマCD『初恋モンスター』第2話 二階堂夏歩と生きる秘宝】

○華すみ荘

夏歩  「いろいろあって……私、二階堂夏歩が小学5年生の高橋奏くんとお付き合いをすることになって
数か月……予想しないことばかりだけど……楽しいです……」

・ドアがノックされる。

夏歩  「はーい」
奏    「おっす! 夏歩! 今日俺たちの遂行するミッションが決まったのだ!」
夏歩  「え……ミッション? ダンボールハウス……じゃないや……秘密基地を作るお手伝いかな?
それとも牛乳パックでいかだを作るお手伝い?」

奏    「ああ、こないだ手伝ってもらったやつな。牛乳パックたくさん必要だったから助かったぞ」
夏歩  「うん……たくさん牛乳一気飲みさせられたね……」
奏    「笑かしたら鼻から牛乳出してたよな!」
夏歩  「そういうのは言っちゃだめなの!! やっぱり今日もそういうミッションなの?」
奏    「今日はもっと重要な任務……ミッションナンバーアタック31! 『デート』だ!」
夏歩  「デートですか……」
奏    「うん! デート。……いやか?」
夏歩  「嫌じゃないよ。……むしろうれしいよ。……そんなミッションなら大歓迎だよ」
奏    「じゃあ、行こうぜ! 準備して5分後に玄関集合な!」

・奏が部屋から出て行く。

夏歩  「デートってどこかな?
奏くんの選びそうなところだと……公園、駄菓子屋、小学校の校庭……」

大谷  「夏歩さん……」
夏歩  「に、兄さん! いつの間に……背後に……」
大谷  「本来、男女のデートと言えば……高級レストラン、プレゼントの花束、宝石など……。
それなのに、小学生なんかと付き合っているばかりに……我慢しているんですね」

夏歩  「兄さん……私は我慢なんかしていません」
大谷  「強がらなくていいんです。兄の前では素直になっていいんですよ」
夏歩  「本当に強がっていません。奏くんとのデートを楽しみにしています。
奏くんと一緒にいられるだけで幸せです。だからデートについて来たりしたら絶交ですからね」

大谷  「絶交……そんな……」

 
 

ドラマCDシナリオ公開 第1弾

ドラマCD「初恋モンスター」のシナリオを公開開始!

原作コミックをご存じの方はよーくご存じの、夏歩と奏の出会いのシーンがドラマCDでも聴けちゃいます♪
「原作はまだ読んだことない!」という方にも優しい仕様ですので、ご安心下さい!

こちらを堀江由衣さん、櫻井孝宏さんでお送りします。

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【ドラマCD『初恋モンスター』第1話 出会い】

○華すみ荘

夏歩  「あの……お名前を教えてもらえませんか?」

奏   「いやです」
夏歩  「え?」
奏   「知らない人には名前教えるなって教わっているし、ちょっときもいです」
夏歩  「え?」
奏   「じゃ」
夏歩  「え? え?」

夏歩  「こうして私の初恋は終わりました。そもそものことの始まりは、3時間前にさかのぼります」

○回想

夏歩  「私の名前は二階堂夏歩、15歳です。いまどきちょっとあれですが、実家は大地主です。つまり金持ちです。両親は私を蝶よ花よと甘やかして育てました。年老いてからの子どもだったからだと思います。地元の人も先生も実家の権勢を気にして、私に怒ることはありませんでした。友達だってみんな、うちの親に頼まれたご学友です。その結果……私は人に怒られたことがありません」

夏歩  「ふふっ……そんな人間どうですか? だめでしょう? ですよね? 生きててすみません……。こんなだから……きっと…ううん」

・トラックが停車し、夏歩が降りてくる。

夏歩  「……春、故郷を出て、都会で心機一転がんばるのですっ」